
アドラー心理学まとめシリーズ、今回は、
「ライフスタイル」について自分なりにまとめてみました。
アドラー心理学の「ライフスタイル」とは?

アドラーは、「自己概念」「自己理想」「世界像」の3つを総括した信念体系を「ライフスタイル」と呼んでいます。

なんのこっちゃ!なんか小難しそうだね。

たしかに!ちょっと尻込みしそうだよね。
でも、この小難しそうな「ライフスタイル」とは何かを、平たく言えば、

ライフスタイルとは、
「自分自身」や「自分の人生」もっと大きく広げて「この世界」について、「自分がどのように意味づけるか」の基準みたいなものと言い換えることができます。
ライフスタイルについて、アドラーは、

「5歳の終わりまでに自分のライフスタイルを採用する」
と言っています。

これを聞いて、「三つ子の魂百まで」ということわざが思い浮んだのは私だけかしら?!

「三つ子の魂百まで」って、幼いころに身につけたことは、大人になっても(死ぬまで)変わらないということわざだよね。

それそれ!そういえば、昔読んだ子育て本などには、
「9歳~10歳ぐらいまでの子供の頃に人格形成が終わる」なんていうことが書いてあるのを目にして、ショックを受けたことも思い出しちゃいました。
ちなみに、調べてみると、英語でも同じような意味のことわざ的なものがありました。
(子どもは大人の源)
(ヒョウは身体の斑点を変えることはできない)

年齢や表現の差はあれ、国境を越えても同じようなことが言われているということは、この説はやはり「共通認識」として認められているのかもね。

しかし、そうなると、「みもふたもないよね~!」

もうね、今さら取り返しのつかない過去を悔やみながら、がっくし肩を落として、遠い目で過去に思いを馳せることしかできませんものね。

5歳だの10歳だの、そんなこと言われたら、「もう遅い!」「おわった~!」っていじけることしかできないよ!
しかし、アドラーは更に言います。

「ライフスタイルは変えられる!」

え、そうなの?!

もちろん、一度染みついたライフスタイルを変えることは、簡単なことでありません。
例えば、判断を迫られるような何らかの出来事が起こった時に、いつも通りのライフスタイルを持って、いつも通りの自分にとって都合のいい、おなじみの選択肢を選ぶ方が怖くないし傷付かなくすみます。

その方が、自分にとって「楽」で「安全」ですからね。
だから、
慣れ親しんだ今までと同じ「ライフスタイル」を貫こうとするのは当然のことです。

じゃあ、いったいどうすれば、
長年染みついた「ライフスタイル」を変えることができるの?

そこが、一番知りたいところだよね。
何がライフスタイルを決定しているのか?

ここからは、長年染みついた「ライフスタイル」を「どうすれば変えることが出来るのか」をまとめていこうと思います。

でも、その前に、「何がライフスタイルを決定しているのか」を知る必要があるんじゃない?!
では、ちょっと見てみましょう。
アドラーは、ライフスタイルを決めているのは「自分自身」であると定義した上で、
決定にあたっては、

「決定に影響を与えているいくつかの要素がある!」
と言っています。
それぞれを簡単にもう少し見ていきましょう。
1.遺伝について
一般的に、人は、「遺伝」の影響は大きい!と考えます。
アドラー自身も、「器官劣等性」(生活に困難をもたらすような 身体的なハンディキャップ)は、ライフスタイルの形成に多大な影響を与えると言っています。

ただし、アドラーは、遺伝の影響を重要視していません。
アドラーが強調していることは、

「大切なのは、何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかだ」
ということです。
それは例えるなら、生まれもって「遺伝的な欠陥」があったとしても、それを嘆き苦しむのではなく、そのハンディキャップをどのように生かしていけるかということに目を向けることが大切だというようなことでしょう。
生きていく上で困難に直面すると、人はどうしても、「自分に与えられていない何か」に注目しがちです。
しかし、「自分に何が与えられているのか」ではなく、「今のこの自分に何ができるのか」という考え方をすれば、確かに違った道が見えてくるような気がしてきます。
2.環境について
アドラーは、兄弟関係や親子関係のような対人関係もライフスタイルの決定に影響を与えやすい要因で、第一子(長男・長女)、中間子、末子など、生まれた順番なんかも影響していると言っています。
長子(第一子)は、生まれて間もなくは、特別扱いされますが、自分の下に弟妹が生まれた途端、今までのような王子様、お姫様扱いから一変し、突然「おにいちゃんでしょ」「おねえちゃんでしょ」っと、突き放されたり、しっかりとした態度が求められます。
そのため、懸命に自立しようとするため、勤勉な努力家になりがち、又は、その反対に、問題行動を起こして現状のポジションを守ろうとしがちであるんだとか。
中間子は、上下に兄弟がいることで、一度も親の注目や愛情を独占したことがない状態で育つことになるため、他の兄弟よりも早く自立しやすいか、その反対に、親の注目を集めたい一心で、問題行動を起こす場合もあるようです。
末っ子は、周りが自分より年上で甘やかされて育つため、自分で努力せず依存的になりがちです。しかし、人懐っこく、また上手に人に頼ることができる傾向にあります。
同じ家庭で育っても、生まれた順番などによる「環境」が、ライフスタイルの決定に与える影響は大きいと言えます。
3.親子関係について
親子関係については、「家族価値」と「家族の雰囲気」がライフスタイルに影響していると考えています。
「家族価値」とは、家族が持っている固有の価値観です。

例えば、
「うちは学歴重視」とか、
或いは、
「わんぱくでもいいたくましく育ってほしい」(丸大ハム)とか…

(なつかし~)
「家族の雰囲気」とは、家庭内で何かを決定する際のルールや雰囲気です。
親の言うこと絶対!なのか、親も子も対等な立場なのかなどなど…

あまりにも強烈な親の価値観は、ライフスタイルの選択に影響を与えるんだそうです。
特に、両親の意見が合致しいる場合と、両親の意見が正反対で絶えず議論しているような場合は、強力な影響力を発揮してしまうといいます。
4.文化について
育った国や地域による文化の違いも、個人の考え方に影響を与えます。
これも、当然といえますね。

以上のようなライフスタイルの「決定に関わる要因」は、
「あくまでも「影響を与える」というだけで、それが絶対ではありません。

だけど、「かなり大きな影響を与える!」と言っても過言ではない!と言えそうだね。
どうすれば、長年染みついた「ライフスタイル」を変えることができるのか?

おまたせしました!
では、どうすれば、長年染みついた「ライフスタイル」を変えることができるという確信に迫っていきましょう!
人は、色々な影響を受けながら自分のライフスタイルを決定しています。
そして、前述のように、個人がライフスタイルを決定する際に影響を及ぼす要因は、もちろんそれが全てではないけれど、かなり強力だということわかりました。
しかし、それを踏まえた上であっても、やっぱり、ライフスタイルを選んでいるのは自分です。
だから、長年染みついたライフスタイルを変えていくための第一歩は、
「他ならぬ自分」であることに気づき認めることです。
人は、「できないこと」や「しないこと」を過去に経験したことや、自分に与えられている環境のせいにしてしまいがちです。
しかし、そうしたところで、苦しい現状はなにも変わりません。
でも、ライフスタイルは、自分で選んでいると自覚すれば、話は変わってきます。

自分で選んでいるのであれば、いつでも、自分で変えることが出来るはずだものね。
もう一つ加えて言うと、

アドラーは、長年染みついた「ライフスタイル」を変えるための一つの要因として、「人間関係の中に入っていく勇気をもつこと」を説いています。
アドラー曰く、

幸せや生きる喜びは、
対人関係の中でしか見出すことができない!
この言葉に対して、過去に人間関係で傷付き、「もう人との関わりを絶とう!」というライフスタイルを持っている人にとっては、きっと非常に困難に感じることでしょう。
だって人間関係の中に入るということは、悩みの種を増やすことであることは間違いありませんからね。

実際、私自身が完全にこのケースなので、本当に苦しい選択だなと痛感しています。
頭では理解できても、じゃあ実際、すぐに変われるのかと言われれば、正直なところ・・・です。
だけど、孤立を深めるほど、「人は人間関係の中でしか幸せになれない」ということも、ひしひしと感じています。
だから、個人的には、いっぺんに劇的な変化を求めず、自分にできそうなところから、ちょっとずつ攻めていくスタイルで試してみようかなと思っています。

あなたは、いかかでしょう?!
まとめ
アドラー心理学まとめシリーズ、今回は、「ライフスタイル」について自分なりにまとめてみました。
アドラーのライフスタイルという考えをもとに、例えば、引きこもりについて考えてみると、
引きこもりになっているのは、「自分を取り巻く環境が悪いから」ではなく、「人間関係は疲れるし、これ以上傷付きたくないから、もう対人関係は築かない!」という自分なりのライフスタイルがあるからということになります。

ということは、
「自ら引きこもりでいる状態をあえて選択しているのだ!」
ということに気づいてしまいます。

これってとても耳が痛い話だね!

理解はできるけれど、
なかなか受け入れることが難しいところです。

「そんなことはない!」と反論をしたくなるし、
「あんたにゃわしの辛さは分かるまい!」と心を貝のように閉ざして身を守りたくもなるよね。
こういうところが、アドラー心理学は、シンプルだけど、実践が難しいと言われる所以なのかもしれませんね。

でも、そういう葛藤を乗り越えてつつ、少しずつでもライフスタイルを変えていくことができれば、その先には、いつか引きこもりから抜け出せる日がくるかも…という期待が高まってきます。
それでは。