以前、加藤諦三(かとうたいぞう)さんという心理学者のラジオ番組の「テレフォン人生相談」をyoutubeで聴くことにはまっていた時期があります。

子守歌代わりにして、ほぼ毎日聴きながら寝落ちしていた時期があったね。
今日は、その加藤諦三さんの別のyoutubeチャンネルで、うつ病になる人の特徴とか、おすすめのケア方法とか、心の病に対する今の日本の現状とか今後のあり方などについて「健やかなこころ」と題してお話をされているラジオについてのまとめです。

「健やかなこころ」は結構おもしろかったお話の1つです。
加藤諦三さんとは誰?どんな人?
加藤諦三(かとうたいぞう)さんは、1938年生まれの心理学者です。
東大卒、大学院修士課程卒、ハーバード大学研究員 明治大学名誉教授、日本精神衛生学会顧問などの経歴があって、長年ラジオで人生のお悩み相談を解決しています。
著書は、
「悩みの正体、何が人のこころを落ち込ませるか?」(PHP研究所)
「誰とも打ち解けられない人」(PHP研究所)
など多数あります。

今回ご紹介しているラジオの内容は、著書の「悩みの正体、何が人のこころを落ち込ませるか?」「誰とも打ち解けられない人」をテーマにしながら「うつ」や「心」についてお話されています。
うつで悩んでいる人の多くは「抑制型タイプ」?!「隠された敵意」とは?

ハーバード大学のジェラルド・ケイヤンっていう人の研究で、500人の女性を対象に、妊娠中からその後何十年も追跡調査した結果、脳のタイプは「抑制型タイプ」と「非抑制型タイプ」に分けられると発表したのだそうです。
2つの脳のタイプとは?
更に、
悩んでいる人の中には、「隠された敵意」がある?

悩んでいる人の中には、近しい人間関係(親子、夫婦、恋人、親友…)の中で相手に敵意を抱いていることがある
しかし、小さな空間の中で、しょっちゅう顔を合わせている人に対して、まともに敵意をむき出しにすると関係が壊れて生活そのものがしにくくなったり、時には、生きられなくなったりするのでマズイことになります。

だから、
「攻撃性の置き換え」が行われることがあるのだそうです。
例えば、
本当は、父親に敵意があるのに、知らず知らず、その敵意を自分の弟に向けているとか
本当は、夫に敵意があるのに、知らず知らず、その敵意を姑に向けているとか
あるいは、
「政治批判」や「社会批判」なんかも、場合によってはスケープゴートになっているとか

あるある!
ちなみに、「スケープゴート」とは
「スケープゴート」とは、不満や憎悪、責任を、直接的原因となるもの及び人に向けるのではなく、他の対象に転嫁することで、それらの解消や収拾を図るといった場合のその不満、憎悪、責任を転嫁された対象を指す。(Wikipedia)

それから、
攻撃性の置き換えで注目すべき点がもう1つあります。
それは、
ということです。

なぜ、無意識的にそうなるの?

それは、人は本能的に自分を危険にさらすことを避けようとする傾向があるかららしいよ。

そっか、本能的に自分が生きにくくなるような敵意を
無意識に自分の意識から追放してしまうんだね。
本当に敵意を持っている相手に攻撃すると自分自身の存在が危険になる場合などは、無意識的に「危険でない別の対象」に敵意の方向を置き換えて攻撃をする場合があります。

そういう観点で見れば、
「ネット批判」なんかは完全に「攻撃性の置き換え」だね。
悩みは実は「原因」ではなく「症状」だ!
「悩み」を「風邪をひくとこ」に例えてみましょう!
風邪をひいた場合は、くしゃみとか鼻水などの「症状」がでます。そして、くしゃみが出たらマスクするとか鼻水が出たら鼻をかむとか対処すると思うけど、対処しても風邪自体は良くなりません。
ちょっとした風邪の場合なら、放っておけば治る場合も多いですが、もっと重い症状の場合は、根本的に治療が必要なら「くすり飲む」なり、「休養や栄養とる」なり、「病院行く」なり、風邪の原因を無くすために何らかの手を打つ必要があります。
これを、「こころの場合」に置き換えてみると、「悩み」が「症状」です。

症状をどうこうしようと思っても、所詮「対処処療法」になってしまうってことだね。
どうしようもないコトをいつまでもクヨクヨしまうのは、「症状」に対してアプローチをしている時です。

しかし、本気で悩みを解決したいなら、
「攻撃性」とか「敵意」になっている大元の原因を絶たないと悩みの解決はしない。
だから、

まずは、「無意識にある自分の攻撃性や敵意」を「意識化すること」が大事!ということです。

グラン・ウルフという人が言った言葉らしいけど、
「人は相手の無意識に反応する!」のだそうです。

ところで、グラン・ウルフって誰?

ごめん、わからない!
どんなに行き届いた環境で子供を育てても、問題行動を起こす子供がいるのは、子供は親の無意識に反応しているからなのだそうです。

子供は、親の「行動」じゃなくて、
親が「無意識で何を思っているか」
に反応しているってことだね。
だから、今、子供を取り巻く環境で問題が複雑になっているのは、子育て不熱心な親なら原因がわかりやすいけど、子育てに一生懸命な親だと何が原因なのか分かりにくくなるのだそうです。

それで、「こんなに一生懸命にやっているのになんで!」って頭を抱えるわけ。
だけど、そんな時は、グラン・ウルフが提唱した「人は相手の無意識に反応する!」って言葉を思い出すといいそうです。

まあ、「グラン・ウルフって誰やねん!」ってことはさておき、
「行動」じゃなくて、「こころ」を見ないといけない
ってことだね。
「誰とも打ち解けられない人」の特徴
「誰とも打ち解けられない人」の特徴は、「執着性格」の人が多いといいます。
執着性格の人は、
- 自分の弱点を見せられない
- 自分の弱点を隠すのがうまい
- 誰とも打ち解けない
のような特徴があるのだそうです。

「公的な場」では、まじめて厳しくキッチリしているのって悪いことではないけど、「私的な場」においても、そのようなスタンスを変えず、「優しさに欠けている」傾向があるのだそうです。
なぜそんなにまじめなのか?なぜそんなに仕事熱心なのか?
「仕事熱心」と言っても、
- 「本当に仕事が大好きで楽しんで仕事に取り組んでいるタイプ」
- 「別に仕事が好きでやっているわけではないタイプ」
2つのタイプがあるのだそうです。
前者なら、何にも問題ないし、もし疲れらちゃんと休んだり息抜きしたりできる人。失敗しても苦にもならずまたチャレンジできるような人です。
しかし、問題は、後者のタイプです。
こういうタイプの人は、本当に仕事が好きでやっているわけではない場合があります。
「いつか見返してやる!」とか「あいつには負けたくない」とかの「敵意」が「仕事熱心」というカタチに変化してしまっています。

別に悪いことではないように思えるけど…

「驚異的な働き手は、ごう慢な復讐タイプ」
になりやすいのだそうです。
過去に何かで傷付いたなどが原因になり、「見返したい気持ち」が原動力になっていることが多く、そのことに本人が気づいていない場合もあります。
仕事が本当に好きな人は働いてもうつ病にならない。
本当に疲れれば休める
しかし、執着性格の人は、先ほども挙げたように、
- 自分の弱点を見せられない
- 自分の弱点を隠すのがうまい
- 誰とも打ち解けない
無理に無理が重なって八方塞がりになって、ついにはウツとか体調不良とか重篤な病気にまで陥ってしまう原因になる可能性があります。
そのため、
「執着性格」や「燃え尽き症候群に陥りやすい人」はうつ病になりやすい人
と言えます。

このような「執着性格」や「燃え尽き症候群に陥りやすい人」タイプの人間は、アメリカだったら「心臓病」、日本だったら「うつ病」になる人が多いのだそうです。
うつになりにくい「ACE性格」とは
それとは反対な人は、「ACE性格」の持ち主といいます。
「ACE性格」とは
Attention=(注意を向ける)
Conection(結びつける)
Expression(表現できる)
自分のココロにちゃんと「注意を向けて」「結び付けて」「表現できる」できるとうつ病になりにくいってことです。
だから、

それから、ちゃんと「素直にネガティブなことも認めること!」も大事な要素だよね。
軍隊でも採用?!うつ病や自殺者が減った方法「ライティングキュア」とは?
ライティングキュアとは、
自分の中にある「怒り」「苦しみ」「不安」「恐れ」などのネガティブな感情を、ありのまま思いっきり吐き出すことでスッキリして心が落ち着くのと同時に、自分の本当の気持ちと向き合うことで心の整理とケアができる効果を期待できます。
こんな実験があります。
1つは、「好きなことを何でも思いっきり書かせたグループA」そしてもう1つは、「書くことに規制を設けて書かせたグループB」の2つのグループに分けて経過観察した。
そしたら、ネガティブもことを書いたグループAの方が、会社で言ったら遅刻や欠勤が、学校で言ったら欠席や遅刻が少なかったと報告されています。

アメリカの軍隊でも同じようなケアを取り入れることで、
取り入れる前より圧倒的に「自殺率が下がった」という報告があるそうです。
軍隊では、プロのカウンセラーがいるからノートは使ってないようですが、戦場から帰ってきた兵士に怖い思いや自責の念などのネガティブなことをカウンセラーに吐き出させたそうです。

この結果を見ると、この方法を使わない手はないね。

カウンセラーがいない場合は、ノートにかく!

ノートに書くだけなら、誰にも迷惑は掛からないし、お金もかからないし、メチャ簡単にできるもんね。
”ココロ”を置き去りにした日本がこれから出来ることはなに?
戦後、日本は、拝金主義に走ったため、経済はとても豊かになったけど、心は置き去りにされ「崩壊している」といっても過言ではありません。
それは、第二次世界大戦の敗戦で、「日本の伝統的な価値観」が否定されて、「新しい価値観」が入って着始めた時期に、まだ、「新しい価値観」がちゃんと根付く前の「無規範状況」で、経済成長が起こったからに他なりません。
「無差別な競争」を取り入れて、「こころ」をないがしろにしてきました。
そして、経済的には豊かになったのと引き換えに、「日本人の心」や「家族の崩壊」が起こりました。
今からの日本のあるべき姿は、まずは、ココロや家族がないがしろにされている事態を把握して、今後は、「心に焦点を合わせること」を心がける必要があるといえそうです。
基本的に日本人は賢いし、優しい人種やから、きっと立て直していけるはずって信じるしかありません。
そこで、キーポイントになるのは、子供達!
勝手に題して
「これからの日本をになう子供たちの特に幼少期を大事に育てるプロジェクト!」
アメリカのABCニュースで、「3歳までに子供は決まってしまうのか?」みたいなお題で、専門家が集まって話した特集があり、ほとんどの専門家は「決まる!」もしくは、「影響がある」との結論でした。
このブログでもアドラーシリーズの別記事で取り上げたけど、3歳っていう年齢はさておき、要は、幼児期10歳ぐらいまでの時期って人格形成にメチャメチャ重要な時期っていうのは間違いはなさそうです。
「自信のない人」のセルフイメージ」は、幼少期に「周囲の人たちがどのように反応したか」によって影響されてる場合が多いのだそうです。
そしてそれは、強固で変わりにくいらしいというから厄介です。
例えば、常日頃から親に、「あなたがいるから離婚できない」とか、「お前のせいで・・」とか言われ続けた子は、「自分は不幸の原因なんや」「自分がいると迷惑なんや!」「自分はいない方がいい子なんや!」ってどんどん卑屈になっていきます。
その反対に、「あなたがいてくれて嬉しい」とか「お前がいるから頑張れる」とか言われて育った子は健全な自己肯定感が持てます。
神経科医のベラン・ウルフは、

「幸福も不幸も複利で増えていく」
と言っています。
子供のころの環境は非常に大切です。

それだけで人生のスタートラインが全然違うもんね。
日本では、肉体的なハンディキャップや経済的劣っている人には優しいけど、心理的に貧しい人に対しては非常に厳しいところがあります。

「母性的保護を失った子供」を調査したら、
「嫉妬深くなる」という結果が出たそうです。
だから、生まれてから10歳ぐらいまでは非常に非常に大切なのは間違いなさそうでう。
ということは、社会全体で子供たちのこの時期に投資して、大事に大事に育てれば、のちのちには良い芽が出てきて、日本がきっと良くなるはずです。

幼児教育に愛情とお金をかけることで青少年の犯罪もきっと減るんじゃない?!
まとめ
うつ病になりやすい人の特徴やおすすめのケア方法、心の病に対する日本の現状とこれからについてちょっと興味深いラジオ番組を視聴したから、備忘録として、勝手な考察も混ぜながらまとめてみました。

ライティングキュアは手軽にできそうだからやってみようかな!

そうね!
でも、ブラッククラムスになりすぎないように気を付けてね!
ちなみに、

この記事でご紹介した 加藤諦三(かとうたいぞう)先生の
「誰とも打ち解けられない人」(PHP研究所)の本の内容はこんな感じです。
[だれとも打ち解けられない人 ] (PHP新書) 新書
・なぜ人に甘えられなくなったのか?
・なぜ自分を偽ろうとするのか?
・なぜ弱点を見せまいとするのか?
・なぜ我慢が活きないのか?
・なぜ、だれとも打ち解けられないのか?
…… もしあなたが「うつ病性格」ならば、それは家庭環境で決まります。
だから「見捨てられる不安」に怯えるな! 一見すると自立しているように見えて、じつは他人にビクビク。
つねに身構えてしまい、関係が近くなるほど怖くなる。対立を恐れるばかり、本心では頼りたいのに声がかけられない。本音が言えない。
甘えや悔しさを出せず、心の中はいつも不安で不満。言い知れぬ疎外感。
かえってずるい人のやさしさに騙され、真の味方は離れていく……。
いつしか「うつ」になるのも無理はない。
“自分がない”のに自分を守ろうとしてしまう悲しい性格はどうすればいいのか? うまくやろうなどと考えず、人間関係にこだわらない生き方を心の悩みを
解決するスペシャリストが教えます。
それでは。